幻と消えた青いケシと赤いケシ


うっすら雨が降っている、ずう~っと川の脇を走る、分け入っても分け入っても青い山という感じ。日本と似てるが山が高い、なかなか綺麗だ。そのうち気がつくと川を離れ少し高いところを走っている。だんだん木が少なくなって黄色い花が咲いている、そしてまばらに黄色いポピーがみえてきた、少し雨が強いが、いよいよだと喜んでいると、巴朗山隧道という表示がありトンネルの中に入って行く。早く終わらないかなと思っているがかなり続く。ひょっとして、いやな予感とともにトンネルをやっと抜ける、もう風雨にけむる木のしげる山になっていた。がっかり。
 

赤いケシが好きならカムの東の方にたくさん咲いてますよ。
チベットの花にくわしい人が言う。
 
なぜか花びらが下を向いてかれたようなかたちをした赤いケシ、形は美しくないが、風が吹くと赤いハンカチを振っているように見える。
それにピンクでも朱でもなくあの赤はそうめったにない色だ。
 

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13年頃行ったらアムドに咲いていた赤いケシ。車の窓からとったのでピントが…。
 
赤いケシと青ケシに包まれ標高5000mのお花畑で昼寝をしてコーヒーでも飲もうと思いいろいろ用意したのに。
まあ雨が強くてそれどころではなかったかもしれないが。
 
車の窓からさえ道端に咲くケシを見ることもできなかった。
乗せてくれた男に戻って峠まで行ってくれとも言えないし、男は運送の仕事の途中だし。
 
巴朗山のケシを見たくても道が整ったせいで、バスや乗り合いの窓からはもう見ることはできなくなってしまったのだ。下りて見物することも。
トンネルをこぐらなければ、巴朗山峠を登る道はある、行きたければ車をチャーターするしかない。
 
 
そして道はそれほどかからずに日隆についた、日隆は四姑娘山の長坪溝など有名なトレッキングコースに高山植物はたくさん咲いているが、4000mは超えないため、ケシは見られない、そのためあまり興味がない。
 
まだ時間はある、どこまで行くのかと聞くと男は丹巴だと言う、そこまでにしてくれと頼む、150元が200元に。
 
道路が整ったおかげで採点不能。  (17年7月)