カムで♨その4 呷衣温泉(石渠) ☆☆☆
露天風呂の形と環境が理想に近い温泉をみつけた。
この呷衣温泉、露天風呂は中国の地元の案内紹介ページにのっていた。
写真はなかったがなんとなくおもしろそうな気がしたので石渠に泊まった、行ければいいと思っていた。
温泉のことを聞かれホテルの経営者夫婦はとてもうれしそうだった。地元の温泉を外国人に聞かれて感激したんだろうか?
翌朝8時、おじさんがなかなかいい新車をホテルの前につける。
なぜかおばさんもしっかり乗っている。なんなんだよ。
入り口にバッチリ鍵をかけた、ホテルの仕事はどうするんだ。
どうせ客など来ないのだろうか、ま、私の車代500元が手に入るのだからいいわけか。昨日の気のいいおばさんが留守番か。
夫婦二人は正しい発音の普通語(標準語)を喋る、それにきれいな文字もきちんとかける、気楽に新しいホテルを建てて経営している、いったい何者なんだ。
石渠から少し甘孜寄りに戻り、北に折れて道を行く、本線と同じやや高い緑の丘を両側に並べた平地を走って行く、道はよく整っている。
まず夫婦おすすめの「巴格麻尼石经塙」に行く、いったいどんなものだろうと思っていたら、高い壁の砦のようなものが遠くから見えた。遠回りして巴格麻尼石经塙に着く。
ずーっと細長く石が積まれ、そこにいろいろな仏様の絵が掲げられている。
多分ここはコルラするとこなんだろうと思い石積みに沿って歩いて行く。
確かにきれいだが少し退屈と思いつつ半分まで来た。
疲れたから帰ろうとすると、いつの間にかおばさんが後ろに来ていて追い立てられる、しかたなくまた歩き出す。
なんなんだろうこれは。この静かな大地に一番ふさわしい祈りの形だろうか。
ほかにも普通のゴンパは結構あるのに、しかしよく作ったというか積んだものだ。
これは特にどのゴンパに属しているというわけではなさそうだ。
やっと折り返し地点、マラソン選手の気分だ。道が平らなのがせめてものなぐさめ、高度3000mをはかるに越えているからね。
コルラする人はけっこういる。
やっと終点、最後に小さなお堂があり〇〇様が祀られているらしい。
中を見るかとおばさんが聞く、いいえもうけっこうです。
約3キロくらい歩いた。車に戻るとおじさんが笑顔で迎えてくれた。
これは玉樹にある嘉那嘛呢と同じでマニ石が積んであるのだろう。嘉那嘛呢は四角い、こっちは細長い。
ここまで1時間くらいそこからまた1時間、呷衣の村のずいぶん先に温泉はあった。
遠くからはただの河原にしか見えないが。
おじさんが河原を歩いて行く、ここだここだ、ここがいい、とすすめる。
いくつか露天風呂が掘られていて、きれいなものもある
ここに入ってみようと水着に着替えようとすると、おーいここにもっといいのがあるとおじさんが呼ぶ、そこまで歩いて行って入浴。
お湯はきれいだ下からわいてくる、なんか体に良さそうな硫黄の匂いがする。
少しぬるいが、まあ極楽極楽という感じだろうか。
カムで4つ目の温泉で最高のシチュエーションの♨にたどり着いた。
だーれもいない、静かで美しい山が目の前。
遠くでキャンプをしている人がいる。
縁にこしかけ休む、ちょっと蚊が多いけどね。
ゆっくり浸かって写真を撮って終了。
美しい。
近くにテントがあり招待所と書いてあった。
行って見てのぞいてみると売店だった。何人かチベタンがいてみんな不思議な視線で私に集中する。
ここ泊まれますかと聞くとなんとか通じ、となりの旅館みたいなところを指差した。ホテルのおじさんたちは宿はないと言ってたが、きっとここに泊まれる
なぜか三人とも満足げに道を戻る、夫婦は車の中で休んでいたみたいだ。
また途中で小さな巴格麻尼石经塙と同じようなものをお参りした、今度はおじさんが車で回ってくれた。
石渠につく手前で車は草原の中に入って行く、なんだろうと思っているとテントを張ってある家族のところにたどり着く。親戚らしい、お茶と乾燥したヤク肉をご馳走になる。そういえば昼飯はまだだった
左二人が愉快な夫婦。
そして町に着いた。
おじさんはこの車で行けば玉樹まであと500元で行くぞというが、少し高い。
そこでおじさんが乗り合いに交渉してくれて60元に決まった。
しかしもう3時頃だ、この時間人が集まらず2時間くらい待たされ、乗客4人でやっと出発した。
温泉は自然に囲まれ気持ちがいい、そんなにゴミも落ちていない、とにかく環境は最高。+4 日本人としては少しぬるい、蚊がいる。-1 石渠から来るにしろ玉樹から来るにしろ少し遠い。-1 おじさんとおばさんがいい感じ。+1 合計+3
(17年7月)