囊谦 náng qiān  ☆☆☆


「囊」は袋の意味、日本語では「のう」と読むらしい、のうけん。
玉樹蔵族自治区に属している囊谦は、玉樹から150キロほど南にくだった所にある、チベット自治区はすぐそこ。f:id:mu2ro:20180912023817j:plain

この町から三つの寺を見に行くのが今回の旅行の目的だ。

 

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  「玉樹旅游」という名の観光協会みたいなところが作った地図。
 右上の尕丁寺、下の尕尔寺、左の馬耳山のふもとの達那寺、の三つの寺。

 

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  囊谦県の地図


玉樹のバスターミナルで囊谦までの切符を買おうとすると、ここでは売ってない、右手の道にあるからそっちに行けと言われる。

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 玉樹のバスターミナル

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右手の道にある「囊谦有限公司」。囊谦と玉樹を往復する乗合いを管理している事務所という感じ、バスはなく乗合いだけ。中国中みんな自家用車を持つ時代になってきて、バス路線はずいぶん廃止されている。

運転手達に囊谦に行きたいというと、女性が一人だけ乗っている車に案内される。

1時間待って7人そろい9時ごろ出発。
どこの乗合いもだいたい9時ごろ最初の便が出る。ものすごい遠距離をのぞいて。

 

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きれいに舗装された道を約3時間、車は囊谦に着いた。町の入り口手前であんのじょう公安の検問所があった。窓口まで行った運転手がみんなの身分証を集めに戻ってくる、私はパスポート。

運転手は気楽に集めているけど大丈夫かなと思ったら、私だけ呼ばれて小屋の中に通された。二、三人公安がいて質問。大したことは聞かないがずいぶん長く座らされた。運転手がイラつき窓からのぞく。

やっと解放されたが、公安が15日間日本人はノービザってことを知らないのがいやになる、けっこうどこの公安でもそうだ。

運転手は公安に外国人OKのホテルに私を連れて行けと言われ、町の入り口近くのホテルへ案内される。ホテルはけっこういっぱいあるがここが便利で設備は普通にそろっているから問題ない、お湯はとってもぬるいけど、ほとんど水。280元。
ゲストハウスなどない、中国人観光客もいない。

ホテルで休憩してから町を散歩、まだ昼過ぎだ。

この町は国道から少し高くなっている、町の入り口の真ん中の道はすごい坂道だ。

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町は建築中のビルや工事中の道路がいっぱい、散らかし放題という感じだ。囊谦寺があるのでそこまで行ってみるがのぞいてもつまらなそうなのでパス。

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 囊谦の雑然とした町並みと、遠く見える金色の仏像。

町の周りにいくつか寺らしき建物が建っている、大きな金色の仏像も。あそこにでも行ってみようと思い、そのうちの一つの建物に向かって坂道を登る。

道はゴミゴミした町にふさわしく複雑で何度も聞いた。みんなとっても親切。

小さな寺に着くと坊主が二人いた。日本人だというと感激され、カタをかけてくれる、嬉しいけどちょっとじゃま、これやたらのところに捨てられないからね。柵にかけて記念撮影。f:id:mu2ro:20180913010810j:plain


中を見物できるかと聞くと、いいよという感じで案内してくれる、しかし大きな方のお堂ではなく、脇の小さい方に。このお堂の番人役のようだ。

すると坊主が突然お経を読み出す、私のため、まさか読経の時間なんだろう。
 


MVI 0615

町を取り囲む丘に点々とあるお堂類はみんな同じ寺のものらしい。建築途中のものが多く、今に完成すれば、町を見下ろす美しい寺になるかも。ここも囊谦寺に属しているのかもしれない。

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坊主にお礼を言ってホテルに戻る。寺を出るとすぐにオヤジがバイクで通りかかり送るから乗れって。なんだろう、断るのも悪いから後ろに、でもすぐにオヤジは親切心に飽きてしまい、降ろされる。何なんだよ。

町の中心には広場があり、交番があった、いちおう若者達が集まっているが、それらしいオシャレな店は見当たらない。

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 町の中心、いちおう交通整理の台を置いてある。

村の入り口近くにいちおうバスターミナルがある。1日1本西寧からの直行バスがあるのだ。乗合いが集まっている場所でもあるので、そばを通るとさっき乗ってきた運転手や玉樹の事務所にいた男達が立っていた。

玉樹の事務所で見かけた男が4、5人いるってことは、車が4、5台来たってことか、けっこう行き来する人がいるんだ。

明日から行く寺までの便を聞いてみる、バスも乗合いもない、車を貸し切るしかなさそうだ。

寺方面が担当らしい男と交渉する。この男けっこう慎重で、ほんとうに車を貸し切る気があるのか気になるらしく、ホテルまでついて来て従業員と話していた。私が信用できるか聞いていたのだろう。なんせ3日間貸し切りでいい金になるからね。

この男で行くことになり部屋へ。ぬるいシャワーを浴び、近くの店で食事。
よくしゃべるお姉さんで四川省から家族で移り住んで店を出してるらしい、四川風串焼き屋さん。f:id:mu2ro:20180913011214j:plain


飯も終わるころお姉さんがうるさい、なにかと思い店の外に出て見ると、虹がかかっていた。少ししょぼいけど。

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明日からの寺見物がうまく行きますように。

 

ずいぶん遠くまで来たなあという気分にはなれる町。+1  ほんとにゴミばかりでゴミゴミしている、なんとかしてほしい。-1  銀行も3軒あり食べ物屋も悪くない、しばらく滞在しても問題はなさそう。+1  町を出てからの景色は最高。+2   合計+3  (18年7月)
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