尕丁寺近くの宿  ☆☆☆☆

 

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 この日の午後に訪ねた尼寺。 

昨日の別れぎわ明日は8時でよろしくと言うと、運転手がだめだ7時と言う。疲れたから8時がいい時間に余裕があるしと言うと、行きだけ送るのだから帰って来てからの俺の仕事時間がへると言いはり、7時に決まった。運転手の身勝手がだんだん気になって不機嫌なまま別れた。

7時に車の所へ行くともう一人若い男が立っていた。今日はこいつが運転すると言い運転手は残り車は走り出した。運転手も不機嫌かと思ったが、たぶん昨日走り過ぎて疲れたせいだろう。

また美しい道を行く。昨日やその前の日とも違う山に囲まれた風景だ。今までよりもこじんまりしている。

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今日行く宿は民泊サイトで見つけたが(ホストはNomadic)、住所がよくわからず、うまく見つかるか心配だった。予定外の达那寺に行ったため、2日前に電話して宿泊日を変えてくれとは言っておいたが、その日より一日早く来てしまった、そのことも心配だ。はたしてうまくいくだろうか。

しばらく走っているとなんとなく気分がうきうきする、きっとうまくいくんだと思いでこぼこ道の車にゆられる。

運転手は3時間はかかり道はガタガタだと言っていたが、砂利道ではあるがそんなに乗り心地は悪くない、それに1時間半で着いてしまった。片道500元。

「毛庄郷」小さな村だった。

村の入り口にチョルテンが立っていて年寄り達が集まって話をしている、ここは村の年寄りの憩いの場らしい。若い運転手に宿を書いた紙を見せると年寄りに聞いてくれた。

この若い運転手見た目はヤンキーでもやさしく親切。
村は小さく住所などなく、民宿をやってる家は一軒しかない、簡単に場所がわかった。

車を走らせ、すぐに到着。外から声をかけると大きな鉄のドアからおじいさんが顔を出してにこやかに迎えてくれた。宿泊日の違いなど関係ないって顔をしている。うーん予感どおりうまくいった。

それどころかこの宿での3日間は、予想外にとっても楽しかったのだ。

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ドアを開けると広い敷地に平屋建ての家がくの字に立っている。庭のほぼ中央に蛇口が一本ある、実はここが洗面所、みんな朝顔を洗ったり洗い物をする。庭の端に犬が一匹、その横に大き目のテントがありみんなで食事ができるようになっている。他にも椅子や小さなマニ石が転がっている、少しまとまりはないが感じはいい。


おじいさんが荷物を運んでくれて、食堂けん台所けん居間に通してくれる。そこには大きなテーブルと備え付けの長い椅子があり、若者が5、6人とってもにこにこ興味深そうに迎えてくれる。

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 右側が台所スペース、料理はすべておばあさんが作ってくれる。

お茶を飲みながら話をする。君達は客、家族、それとも何。なんかよくわからないが社員らしい、どこの、どんな仕事。とにかくわからずワイワイ楽しい。

部屋はどこと聞くと、となりに並んでいる小部屋の一つをおじいさんと整理し始める。あまり使われてない感じ。

そこへ玉樹の宿で世話してくれた女性が現れ、違う、こっちよと言って4人分のベッドのある部屋に連れてってくれた。

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玉樹で泊まったゲストハウスみたいな宿も同じホストNomadic だった。
そこの女性、彼女は香港人、なんでこんな所に香港人? そしてさっきワイワイやっていた若者達はみんなこの会社の社員だと言う、正直なんだかさっぱりわからない。わからなさは宿を去るまで続いた。チベット人らしいおおらかさ。

しばらくすると、トレッキング姿でたくさんの女性達が現れた。山でキャンプして戻って来たのだ。みんな台湾人、 なんで台湾人? 男も3人ほどいる。合計17人。

そのうち昼飯になった、彼女達に付いて近くの食堂へ、見た目さびしそうな食堂は村に何軒かある。

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やっと落ち着いて庭の椅子に座り、ここの主人にwifiをおそわり日本のニュースを読む。wifiはきちんとしている。宿は標高3690m。

突然、これからみんなで尼寺に行くけどついてくるかと言われ出かける。

尼寺は村のはずれにある、そう遠くないが高度のせいでみんなゆっくり歩いて行く。45分くらいだろうか。

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午後の日差しが強い、雨傘をさしながら坂道を登る。大阪に留学したと言う女性が片言でいろいろ世話してくれる。もう一人大学で日本語を習ったと言う人がいた、ほとんどしゃべれないが。

お寺をひと通り見物して、なぜかおやつタイム、尼さんがいろいろ出してくれる。少し多すぎるけど、みんなはりきって食べる。

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見物も終わり、なだらかな坂道をゆっくり戻る、村の全景が見渡せる。

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 これで村はほぼ全部、丘に点々とある建物はほとんど寺関係。

宿に戻ってまたwifiそのうち夕食になった。外のテントの中で台湾の皆さんと一緒というか、おまけという感じで食べる。

食事は野菜がいっぱいのうどんの煮込み、それだけ、でも美味しい、少し満腹感は足りないが。

どの料理もものすごい薄味、糖尿病オヤジの食事という感じ。
そんな食事が続いたせいか、突然いかの塩辛が食べたいと思った、塩辛が食べたいなんて感じたのは初めてだ。それくらい薄味。

台湾の人たちは、食べる辣油のようなものと、えのきだけの漬物みたいな瓶詰めを持参し入れて食べていた、私もいただいた。

部屋は3人の若い女性と一緒、少し気がねしてしてしまう。彼女達は明日5時出発でまた山に登るらしい。そのうち疲れているせいか眠ってしまった。

朝起きると彼女達はとっくに出かけていた。

すると今度は10人くらいの団体が来た、玉樹の宿の主人もいる。なんだろう旅行者という感じではない。とにかくまぜてもらって朝食。

ボランティアで村人達の診察をしてあげている医師団みたいだ。そのうちの一人の女性は北京の会社経営者で資金を出してるらしい。

彼女が日本語ができる友達にわざわざ電話して、その人が説明してくれたが、あんまりよくわからなかった。

そしてみんなどこかへ行ってしまった。私は一人残された。尕丁寺へ出かけようと思ったが車がない。そこへ台湾で看護士をしているという女性がめんどうみてくれた。

彼女も謎に包まれている、何度かここに来てすっかり気に入ってしまい、半スタッフという感じで過ごしている。今回は10日ほど泊まるらしい。

車で寺まで行きたいと言うと、電話してくれた。しかし今日は車を使う人が多いらしく遅くなると言う。しかたない、それまで彼女が話し相手になってくれた。


いよいよこの旅のクライマックス、「尕丁寺」それはこのあとで。


寺から夕方戻ってきて食後に庭で休んでいると、台湾のみなさんも戻って来た、今日も山で一泊するんだと思っていた。

案内役のここの主人もいっしょに戻って来た。少し話していると、明日ここに行く、ついてくるかいと聞く。見せてくれたスマホの写真は、草原のテントの上一面の星空だった。

え、この近くにこんなきれいな星空を見られる所があるんですか? ぜひ行きたいです。料金は? ただです。え、ぜひ、ぜひ行きたいです。

そして次の日、台湾の皆さんの玉樹へ戻るバスに乗せてもらって昼ごろ出発。この村から玉樹に戻るにはタクシーしかなく、同乗者がいなければ500元はかかると聞いていたのに、ただ。

宿代は1日分はサイトから払っていたのでもう1日分。
サイトからは1日食事込みで6999円。

● ここのトイレは庭の横にある、ボットン便所だけど椅子状になっていて座ってできる。終わるとかなり下の方にある自分のものに、スコップでバケツに入っている土をかける、けっこう楽しい。3つほどあり、どこもきれいにしてあるので、女性でも心配いらない。

● シャワーは庭のはずれの木の下に三部屋ある、入口でバケツに熱湯を入れてもらいそれを持ってへ部屋に入り、中のドラム缶に入っている水でうすめて使う。十分なお湯がもらえるので髪を洗っても大丈夫だ。部屋の明かりはすごく強い電気なので部屋中よく見えてきれい、こういう所によくいる虫達も見あたらない。

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 家の角にあるこの木がハウスの目印、石の向こうの小屋がシャワー室3つ。

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山小屋風ゲストハウスという感じで、設備は十分満足できる。聞いてみなかったが一人部屋もありそうだ。+2  スタッフはみんな親切。+1  宿の周辺にトレッキングに向いた遊牧民の住む美しい草原があるらしい。この宿はそこがメインのようだ。+1  合計+4  (18年7月)