白石崖寺(夏河)  ☆☆☆☆

 
八角城で降りたタクシーを、あとは徒歩で行くからいいと言って帰らせた。運転手はけげんな顔をするが…。
  

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八角城からは曲がりくねってはいるが一本道、美しい緑の絨毯の中に丸く囲われた寺を目指してゆっくり歩き出す、のどかな畑の続く道を。

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しかし少しあまかったかもしれない、寺まではゆるやかな上りが続く、ここは標高3000m以上、だんだん足取りが重くなる、通る車もない。
 
途中で道端に腰掛け、八角城の売店で買ったお菓子を食べた。
 
がんばって歩いて行くと寺が見えてきた、なかなかきれいだが、登る道に電線がはられていて寺の景色をじゃまする、その上寺の横にスマホ用の鉄塔らしきものが立っている、道から見ると両方ともびったり風景の中心にあり美しい写真は望めない。

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もし美しい寺の全景を撮りたければ、道を外れて右か左に相当歩かないとベストポイントはないだろう、しかしもう疲れていてきれいな写真の撮影はあきらめた。
 

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 やっと寺の入り口に着く、よっこいしょという感じで手前の草に腰を下ろしシートをひいて休んだ、お菓子の残りとポットのコーヒーを飲んで少し まどろむ。
 

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寺の左手には小さな村がある、村で何か工事をしているようでトラックが通る、僧の乗った車が一台、そしてバイクに乗ったカップルが寺を訪ねて来た、観光客らしい。そのくらいしか通らない。またまどろむ
 
やっと起き出し寺に歩いて行く、僧が車を洗っていた。
意外や小ぎれいな食堂があった、でも店員も客もいない。
 
旅行中少し歩きすぎたせいかなんだかあまり見物する気がおきない。
 
コルラするマニ車の道はある、お堂もいくつも並んでいる、しかしこの寺は斜面に建っている、どこに行くにも疲れる、見学はやめた。
 
帰り道、乗せてくれそうな車は寺にはない、八角城までまた歩く。
その後バイクのカップルはいつまでたっても戻ってこなかった、もしかすると見学するに値する寺だったのかもしれない、見物省略は失敗だったかも。
 
この寺の裏に一人の僧が岩山にこもって修行していると聞いた、それでものぞいているのだろうか。
 
 旅行後「白石崖寺」で検索してみると、中国人の旅行記などがあり、寺の後ろの岩山がとぎれたあたりに川が流れていて、小さなチョルテンやほこら、岩のトンネルなどがありなかなかきれいでおもしろそうだ、失敗した。
 
 
美しい岩山を見つけるとすぐに寺を立てたくなるチベタン、そんなふうな寺が青海省にはいくつかある。
ここもその一つ、寺の名前通りの白い岩山が寺の後ろにそびえている。美しくもあるが少しこわく感じる。

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山の向こう側には何があるのだろう、寺の奥の方まで道は続き岩山を超えてまだ続いているようにも思える。
 

やっと八角城にたどり着く。観光客が来るようになってけっこう車やバイクに客を乗せてかせいでいるのか、どこからともなくオヤジがバイクで現れた。
 
バイクの後ろに乗れってことか。オヤジの後ろはやだなあ、車がないかなと探すが見当たらない。
 
あきらめてオヤジの体に抱きつく、しかし拒否されてしまった。
なんだよこっちだってがまんしてんだぞ、などと思いつつシートについてるつかみにくいひもを握って出発。大きな通りの入り口まで20分ほど走った。
 
そこに1時間ほど立っていると、新車のSUVに乗った親切なチベット人が拾ってくれ夏河まで戻った。
 
やはりこの寺は美しい、緑の斜面にま~るい城壁、その中の建物のたたずまい。どうしても電線がじゃまだ! こんな所こそ電線を地中に埋めるべきだ。

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寺の全景は美しい+2  白い岩山も含めて周りの風景も行く道もきれいだ+1  風景全体が静寂につつまれていて気持ちがいい+1  合計+4  (16年7月)
 

八角城(夏河)  ☆☆

 
沢庫で朝早めに車のたむろしているところに出かけ、夏河に行きたいというと、直接には行けない同仁経由だと言われ、同仁行きの乗り合いを探す。
グーグルマップで見ると脇道で夏河とつながっているように見えるが。
 
気がつくとまた巴滩岔路口に戻っていた。
発音が悪いせいで同仁ではなく同徳行きに乗せられてしまっていた。
このあたり若干なまっているから紙に書いて見せるほうが安全だ。
 
しかたなく乗り換えてまた沢庫、乗り換えて同仁。
もう午後だったので乗り合いは見つからずタクシーをチャーターして夏河、200元。乗りまちがえて大出血。
 
夏河はまたいちだんと近代化していた。
 

翌日タクシーを拾って、夏河の町から八角城へ。
昨日来た道を1時間ほど戻り、細い道に入って20分ほどで着く。

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八角城はNHKのテレビで見た、こんな所に不思議な砦のような村があったのだ。サイトで検索するとずいぶん昔に行っている人がいた。けっこう楽しそうなので行ってみる。
 
いろいろサイトを探してみてもなぜこんなところに城壁に囲われた村があるのかよくわからないのだが、ここは昔は交通の要衝だったらしい。それもかなり古くから中国の王朝の出先機関があったらしい。
今の城壁が造られたのは明か清の時代のようだ。
こんな所に城塞を構えるほどの戦いがあったのだろうかと思うくらい辺鄙なところだ。
 
黒澤明七人の侍のように、山の洞窟に山賊が住みつき、毎年のように略奪され困り果てた村人が城壁を造ったと考えたほうがロマンチックでいい。
 

静かな村の中に入って行くとどこからともなく村人が現れ入城料を取られる、切符売り場はなく村人が交代でやっているみたいだ。
切符はそのまま持っていたほうがいい、他の村人にまた買わされる。
 
運転手がここから城壁に登れる、城壁を一周ぐるっと回れ、と言われ登ってみるが、城壁の幅は狭く、でこぼこ、足がおぼつかない私にはこわくてとても無理だ。 

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上からの村はのどかな感じ、ただ農家の多くは建て直されていて今風の中国の田舎という感じで少し期待外れ。

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もう少し離れた丘の上まで登り、そこから城壁を望んだほうが美しそうだ。
この辺り標高はけっこうある、登りが疲れることを計算に入れないと困ることになる、まだこの先の寺に行くことを考え、丘の登りはやめにした。
 
食堂はなさそうだ。売店はある、腹にたまりそうなお菓子を買った。 

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うまく撮れたかと思ったが、向こう側に見えるのはバスケットボールのあみの部分、なんとかしてくれ。
 

ここだけ見に来るというのは少し期待外れになると思う。むしろこの辺り一帯の美しい農村風景と八角城の写真を撮りに来るのがいいかも。
なるべく夏、緑の多い時期に。そして付近の丘からねらうといい写真が撮れそうだ。

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この辺りは今が菜の花の盛りだ。
 
 
あまりにものどかな農村すぎて城壁に違和感がなく、特別見学したという実感がわかない。+2  (16年7月)
 

沢庫は開発途中  ☆

 
拉加寺から沢庫まで、途中巴滩岔路口(巴滩汽车站)で乗り換え。
 

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三叉路の巴滩岔路口は、大武から西寧までの道から沢庫へ抜ける中継地だ。
少し戻り左に曲がると同徳から興海へぬけられる。
 
ここで降りると運転手達がいろいろいて、行き先を言うと、あれに乗れこれに乗れと指図してくれる。
各方向から来た車もここまでで終わってしまい乗り換えさせられることもある。
 
アムドの真ん中という感じだ。
 
食堂は三軒ほどあり昼飯を食べてから出発。今回は和日寺のある和日町を通って行く。なかなか美しいなだらかな丘の道だ。

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2時間ほどで沢庫着。
 

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沢庫はなんだかいろいろ建設途中で雑然としている、前来た時民族衣装の遊牧民がいっぱいいて、その人達の写真を撮ろうとはりきって来たのに、なんだか違う。

 

ホテルは何軒かある、普通の安ホテル。
 
荷物を置いて散歩。
雨が降ってきた、細かい雨でけっこう濡れ歩きにくい。周りの草原を散歩しようと思っていたが、もう午後遅くなったし雨がやまないのでやる気をなくす。
 
なんか十字路の北の方面を見ると丘の上に四角い大きなお堂が建っている。なんだ行ってみよう。

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 丘の周りは囲われていてマニ車が並びコルラ道になっている。
町の中心からの道がぶつかったところにお堂が二つあり、ここからコルラ道に入れる。正式な入口は少し左にある。

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大きなお堂のある丘の上まで登り町を見渡たしてみる。
 

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なんだ、この新しいアパート群と工場みたいな建物は、こんなに家を建てて住む人がいるのか。遊牧民を住まわせるのだろうか。
でも何の産業で暮らしをたてていくんだ、不思議だ。
 
そんなわけで、大草原の中にポツンとある二本の交差した通りしかない簡素な町が、変わり始めていて少しガッカリだ。
町を歩く民族衣装の遊牧民も減った。
 
しかし遊牧民のテントはたくさん町の周りにあった、雨のせいで緑がにじんで美しかった。

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期待はずれだったが、今度来るときには工事も終わり町も整っていくだろう。 期待して+1だけ。  (16年7月)