カムで♨その1 東谷温泉  ☆☆

 
こんな所に温泉がある。
東谷温泉をグーグルで検索すると、丹巴から少し八美よりにあった。
 
午後そこへ行こうと思い、本当に東谷に温泉はあるかと宿の男に聞くと、あるけどすごく遠い。グーグルだと東谷郷は20キロくらい、近いはずだが。
 
どう行ったらいいだろうと聞くと、俺が送ってあげてもいいという。
往復で400元で。
そりゃないだろう高いよ、と言うと。車拾って行くとそれ以上する、それに俺の車はトヨタランクルだ、早いし安全高くない。ガソリン代もバカにならないんだ、などと言う。
 
ここに来るとき、乗ってきた車のオヤジに同じことを聞いたらふっかけてきた値段と同じ400元だ、横で聞いてたな。
 
カムをサイクリング中、ここを通りかかり温泉につかり、テントを張って一泊した人がいたのだ。その人の写真がいい感じでどうしても行ってみたかった。まあしょうがない。OKする。
 
どうも言い値に弱い!
 
宿の男は少しつまらなそうに、屋根ができてしまったんだみたいなことを言っていた。
 
 
丹巴から東谷郷までは45分くらい、そこからまた45分、合計1時間30分。
 
東谷郷までは家と木の道、その後は木におおわれた緑の道だ。日本でよく見る風景に似ている、ただ規模が大きい、山が高い。
この道はハ美まで続くらしい。
 
途中いくつか山沿いに村がある、小規模だが甲居と同じような蔵寨(蔵族の家)が斜面に立つ、見学もでき宿もある。
 
 
なんでもないような所の川岸に長屋のような小屋がある、到着だ。
 
道路の端に車を止め、小さな橋を渡る。
宿の男が言ったように確かに囲われている、チベタン夫婦が管理しているようだ。20元。
 
なぜか丹巴の町で乗せた男もついて来た。どうやら友達らしい、二人にとっても久しぶりの温泉なのだろう。
 
小屋は五つくらいに区切られていて、そのひとつに友達と男、私は一人で入った。やっぱり屋根があってはつまらない。
 
足湯用の池もある。車で通りかかった中国人観光客が足湯につかっていた。
 
チベット人もどこからともなくけっこう入りにくる。チベット人は人前で裸になるのは苦手のようだ、そこで管理人が屋根をつけたみたいだ。でも半分だけ屋根なしにしてほしかった。
 
ここも写真がないので、中国の宣伝サイトみたいなとこから失敬して。

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 これに屋根がついた、このほうが開放的なのに。
 
屋根があって暗いが、温泉はあったかくけっこう効く。+2   周りの環境はいい。+1    丹巴から往復するには遠い。-1  合計+2  (17年7月)
 
 
丹巴から八美までの途中、乗り合いを降りてつかって見るといいかも、しかしその後はうまくバスの時間と合えばいいがヒッチハイクしかないだろう。
 

甲居蔵寨の民宿(丹巴)  ☆☆☆

 
丹巴には特に興味がなかった、なぜならたくさんの人が行っているし美しい写真もたくさん公開されている。
しかしairbnbのサイトを見ていたら、丹巴の蔵族の民宿らしき家が載っていた。民泊サイトなのになぜか民宿。
 
これは面白そうだ、一度チベット人の家に泊まってみたいし、安いし。というわけで1363円で予約した。
 
しかし今日は予約した日より1日早い、2泊させてくれないかなあと思いた訪ねてみる、しかしairbnbが示した地図は全く違う所だった。なぜか住所の記載はない。
 
地図は町の外れあたりを示している、こんなところにあるのかと思いつつ荷物を引いて行ってみたが、やはりそれらしきものはない。
 
疲れたのでちょうど新築で安めの外国人OKのホテルがあったのでそこに泊まった。
 
丹巴の町は思っていたものと全く違っていた、美しい山と川、そこにたたずむ蔵族の家、そして静かな町並み、のはずが…。
メインのいくつか入り組んだ川に沿った細い町並みは、20年くらい前の少しギョッとする中国だった。
カムはどこも建て直し工事中だというのに、道が狭すぎて新しく建てかえるのが困難なんだろう。町の外れあたりにはバンバン新しい建物が建っていた。
 
 
翌日、民宿の予約の紙をカウンターのおねいさんに見せると、そこまで車で送ってくれるという、しかもタダで、なんて親切なんだろうと思って車に乗ったが、甘かった。
 
町の中心まで行くと違う車の男が来て100元だと言う、高いといっても他に方法がわからない、なにせ場所が不明だ、しかたなく乗る。
 
運転手はチャーチューとかいってる、やっとわかっ甲居蔵寨のことだ、チアチューツァンツァイかと聞くとそうだと答えた。
 
民宿は町ではなく甲居蔵寨地区にあったのだ。
 
町から川に沿ってしばらく北に向かって行き、左折して山の斜面を登る。その家は一番高い所あたりにあった。
 

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若い男が迎える、運転手に100元払うと男が出租汽车は高い、今日は特に高いといっていた、ってことは私はいいカモ。
 
しかしこの地区に入るには50元くらい取られるはずだが、取られなかったからまあいいか。
 
 
写真通りの家だった少し古いが。この村特有の色で塗られた家、あまりきれいとはいえないチベット風の部屋、シャワーはなし、ボットン便所、ガがいる。
まだ午前中だ、男のお父さんが香を焚いてお祈りし法螺貝を吹く、どうして法螺貝なんだろう、そもそもどこからこんな山奥に持ってくるんだ。
 
家の周りを散歩する、第3見学台があった、もう少し後ろの斜面を登ってそこから村を望む、とてもきれいだ。
中国一美しい村ということだが、家々ももちろん美しいが、家の立つ斜面とその向かいの山との組み合わせが美しいのだとわかった。
しかしなぜ向かい側の斜面には家がないのだろう。
 

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でもこんな山を見ながら毎日暮らしたいという気持ちはよくわかる。
 
見学台から望む家々にどうやって行くんだろうと思うが、それぞれきちんと舗装された道ができていて車で行けるようになっている。
 
この村は本当に観光地として保存管理されている。世界的に有名になって何年も経つのだから当然ではあるが、中国とは思えない気の使い用だ。
食堂はない、商店もない、ゴミもない、チベットの民家ではない建物もない。きれいに道が整備されている、この地区に来るには検問所を通らないとならない。
 
ここはすごい斜面に立っているから、散歩してもすぐに疲れてしまう。標高2374m。
見学はひかえめにしておいた。
 
 
午後は近くの温泉に出かけ、夕方戻って来た。いつの間にか客が増えていた。
 
夕食は中庭にテーブルを二つ、私は成都から来たご夫婦と一緒、もう一つには中国人の若者が8人。
おじいさんの出してくれた青稞酒が飲みやすくて美味しく、けっこう盛り上がってしまった。

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おばあさんの作ってくれた料理。野菜中心、素朴で美味しい。
 
家が美しくそれを包み込むような自然が気持ちいい、それしかない。+3  
(17年7月)
 
 
屋上から村を見ていて、ふと気づくと目の前にある家がとてもいい感じだ、下りて行ってみる。
 
そこのオヤジにのぞいてもいいかと聞くとにこにこしている。勝手にいろいろ見て回る。
どの部屋もトイレシャワーテレビ付き、できたばかりできれいだ、その上向かいの山に面していてどの部屋の窓からも美しい風景が望める。
どこの家にも宿があるが、泊まる部屋の窓から見る景色をさえぎるものがない所は少ない。

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民宿ではなく簡素なホテルと言う感じだが。隣の家が客を見込んで家の前の土地に建てたみたいだ。今度来ることがあったらここにしようと思った。

 甲居印象 tel:18980691927
 
この地区に入ると検問所のすぐそばに旅客センターがある、とびこみでそこに行っても民宿を紹介してくれそうだ。
 

幻と消えた青いケシと赤いケシ


うっすら雨が降っている、ずう~っと川の脇を走る、分け入っても分け入っても青い山という感じ。日本と似てるが山が高い、なかなか綺麗だ。そのうち気がつくと川を離れ少し高いところを走っている。だんだん木が少なくなって黄色い花が咲いている、そしてまばらに黄色いポピーがみえてきた、少し雨が強いが、いよいよだと喜んでいると、巴朗山隧道という表示がありトンネルの中に入って行く。早く終わらないかなと思っているがかなり続く。ひょっとして、いやな予感とともにトンネルをやっと抜ける、もう風雨にけむる木のしげる山になっていた。がっかり。
 

赤いケシが好きならカムの東の方にたくさん咲いてますよ。
チベットの花にくわしい人が言う。
 
なぜか花びらが下を向いてかれたようなかたちをした赤いケシ、形は美しくないが、風が吹くと赤いハンカチを振っているように見える。
それにピンクでも朱でもなくあの赤はそうめったにない色だ。
 

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13年頃行ったらアムドに咲いていた赤いケシ。車の窓からとったのでピントが…。
 
赤いケシと青ケシに包まれ標高5000mのお花畑で昼寝をしてコーヒーでも飲もうと思いいろいろ用意したのに。
まあ雨が強くてそれどころではなかったかもしれないが。
 
車の窓からさえ道端に咲くケシを見ることもできなかった。
乗せてくれた男に戻って峠まで行ってくれとも言えないし、男は運送の仕事の途中だし。
 
巴朗山のケシを見たくても道が整ったせいで、バスや乗り合いの窓からはもう見ることはできなくなってしまったのだ。下りて見物することも。
トンネルをこぐらなければ、巴朗山峠を登る道はある、行きたければ車をチャーターするしかない。
 
 
そして道はそれほどかからずに日隆についた、日隆は四姑娘山の長坪溝など有名なトレッキングコースに高山植物はたくさん咲いているが、4000mは超えないため、ケシは見られない、そのためあまり興味がない。
 
まだ時間はある、どこまで行くのかと聞くと男は丹巴だと言う、そこまでにしてくれと頼む、150元が200元に。
 
道路が整ったおかげで採点不能。  (17年7月)